川口市において交通事故に遭った後、後遺障害が残った場合の後遺障害認定の申請方法
1.交通事故以来、首が痛い!
Aさんは、原付バイクを運転していたところ、普通乗用自動車と衝突してしまい、顔面や体に傷害を負いました。その後、顔面けいれんなどの後遺障害が残ったことから後遺障害等級1級の後遺障害認定を受けました。
交通事故では、かすり傷だと思っていたところ以外に後日、痛みが生じることが多くあります。そこで、交通事故によって後遺障害が残ってしまった場合における後遺障害の申請の流れやコツについてご紹介したいと思います。
2.診断書は病院で発行してもらいましょう
まず、交通事故後痛みが生じた場合には、当然ですがなるべく早く病院(整形外科等)へ行きましょう。頭痛だと思っていても脳内出血や頭蓋内出血という重大な異変が生じていることがあるため、できれば事故後1週間以内、遅くとも10日以内に行くことをおすすめします。
病院を受診したら、医師に、受傷日、初診日、治療期間、交通事故により受傷等の記載がある診断書を作成してもらいましょう。この診断書は、保険会社への保険金請求や事故を起こした相手との示談交渉において必ず必要となります。
なお、医師以外の柔道整復師などが施術を行う整骨院や接骨院で治療を受けたとしても、そこで書いてもらった診断書は、信頼性がないものとして扱われてしまうことがあるため必ず医師に診断書を作成してもらいましょう。
3.後遺症と後遺障害の違い
Aさんは、病院で治療を受け、医師から後遺症が残る可能性があると言われました。ここで医師が言った「後遺症」というのは、治療したにもかかわらず負傷の症状が完治せず、将来に渡って精神的・肉体的な症状が残ってしまうことを指しています。一方で「後遺障害」という言葉を聞いたことがあると思います。この後遺障害という言葉は先ほど医師が言った後遺症とは異なった意味を指します。具体的には、労災によって負傷や疾病を負い、その後これらの負傷等が治ったときに、障害が残った場合をいいます(*症状固定)。この後遺障害に該当する場合には賠償などの補償を受けられますが、後遺症があることをもって必ず補償を受けられるとは限らないので注意が必要です。
後遺障害にあたるかどうかについては裁判官が最終的には判断するものなので、高度な法的知識が要求されます。後遺障害の認定についてご不明な点があれば弁護士などに相談してみましょう。
症状固定
「症状固定」とは、傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた医療を行ってもその医療効果が期待できなくなったときをいいます(厚生労働省障害(補償)給付請求手続きより)。後遺障害が障害等級に該当すると認定されたときは、障害(補償)給付が支給されることになります。
後遺障害の認定は、所轄の労働基準監督署(長あて)に障害(補償)給付支給請求書を提出し、所轄の労働基準監督署は必要書類が提出されると、労働基準監督署において後遺障害の等級の認定審査を行います。そこ後、労働基準監督署での後遺障害の審査が完了し、等級が認定された場合には厚生労働省から支給決定通知が送付されます。
4.後遺障害認定の手続きの流れ
以上のことを踏まえた上で後遺障害認定の流れについてご説明したいと思います。
(1)症状固定後には後遺障害診断書の作成
Aさんは、顔面や体に傷害を負ったことから病院へ受診し、外科的治療は終了しましたが顔面けいれんなどの症状は改善されませんでした。このように、治療をしてもこれ以上改善されない状態を症状固定といいましたね。このようにAさんは症状が固定されたされたことから医師に後遺障害診断書を書いてもらいました。
このように症状が固定されたと医師が診断した場合には医師に後遺障害診断書を作成してもらいましょう。後遺障害診断書は、最終診察日から二週間程度で発行されることが多いので余裕をもって診断書の作成を依頼しましょう。
(2)後遺障害診断書を保険会社に提出
診断書を作成してもらった後は、保険会社へその診断書を提出しなければなりません。提出方法には2つの方法(事前認定と被害者請求)があるのでそれぞれについて解説したいと思います。
①事前認定について
事前認定の場合は、診断書の用紙や返送用の封筒などの細かい申請手続きを任意保険会社が行ってくれることから被害者としては後遺障害診断書を加害者側の任意保険会社に送付すれば足ります。その後は、任意保険会社から損害保険料率算出機構の調査事務所へ送付され、
調査事務所が認定基準に従い調査を行い、結果を任意保険会社に通知します。
②被害者請求について
被害者請求の場合は、自賠責保険の請求書類(交通事故証明書、支払い請求書兼支払い指図書、事故状況説明図、印鑑証明書、診断書と診療報酬明細書、後遺障害診断書)を用意する必要があります。書式は加害者の自賠責保険会社に請求すれば、入手することができます。直接自賠責保険会社へ診断書等の申請書類を提出した後は、自賠責保険会社から書類が調査事務所へ送られ、結果を自賠責経由で被害者に通知します。
(3)認定結果に納得がいかない場合は異議申し立てを
調査事務所に送られた後になされる認定の結果は、申請した保険会社から約3カ月程度で通知されます。結果は該当する等級がない時は非該当、該当等級がひとつある時は「第何級何号」などという形で記載されており、また、認定結果に不服がある時は異議申し立てができるという旨の記載もなされています。
後遺障害等級認定の結果に対して不服がある場合は、異議申し立てを行い、繰り返し認定審査を求める事ができます。診断書の記載が不十分や診断が不適切だった場合、検査が未実施あるいは検査方法が不適切だった場合、認定の条件を満たすことができない特別な事情がある場合などの事情があれば異議申し立てをするメリットがあると思います。一方で、
異議申し立てを行う場合には、手続きや認定が再び精査されることから時間がかかります。また、診断書代や画像取得費用、郵便代がかかることから費用的な面でもコストがかかります。このように時間的・費用的なデメリットもあることから異議申し立てを行うかどうかについては慎重に判断しましょう。
5.さいごに
埼玉県では、川口市、川越市、所沢市、さいたま市などで事故が多発しています。特に、三郷IC出口(西)交差点、加倉(南)交差点、東大成町交差点、三橋(二)交差点、諏訪町21番地付近交差点では事故が多発しているので注意が必要です。これらの近所を利用する方は交通事故に遭わないよう特に注意をしてください。
交通事故に遭わないことが大切ですが、不運にも交通事故に遭ってしまい、後日、痛みがでた場合には、上記で説明したとおり、すぐに病院へ行きましょう。あらかじめ、後遺障害やその申請方法の流れについて理解しておくことで、その時々ですべき行動を予め把握でき、適切かつ余裕を持った行動を取ることができます。もし、交通事故に関することを行政(川口市)や弁護士に相談したいときは下記のお問い合わせ先にご相談下さい。
-交通事故についての問い合わせ先-
【埼玉県交通事故相談所】
住所:さいたま市浦和区高砂3-15-1 県庁第二庁舎1F
電話番号:048-830-2963
【埼玉県交通安全境界交通事故相談所】
住所:さいたま市浦和区高砂2丁目2番15号 埼玉県交通会館
電話番号:048-824-3050
【けいさつ総合相談センター】
電話番号:#9110(ダイヤル回線及び一部のIP電話不可) 048-822-9110
(原則として電話またはメールでの受付)
【埼玉弁護士会 埼玉弁護士会法律相談センター】
住所:さいたま市浦和区高砂4-2-1 浦和高砂パークハウス1階
電話番号:048-710-5666
【川越支部法律相談センター】
住所:川越市宮下町2-1-2 福田ビル1階
電話番号:049-225-4279
【越谷支部法律相談センター】
住所:越谷市東越谷9-49-2 MACビル2F
電話番号:048-962-1188
【埼玉県庁 県民生活部 防犯・交通安全課 安全教育・指導担当】
住所:埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第3庁舎1階
電話番号:048-830-2960