暴力事件や障害事件を起こして加害者となってしまった際の弁護士への依頼の仕方

暴行罪の刑罰と逮捕された時の対応

暴行罪は、刑法208条で、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料と定められています。どのようなときに暴行罪となるのでしょうか。 一番一般的なケースが、相手を殴ったり蹴ったりしてしまった場合です。しかし喧嘩などで襟首をつかんでしまった場合、殴ったり蹴ったりしていなくても暴行罪になってしまいます。また意図的に肩を当てたりする行為も暴行罪の対象です。 公共の場や目立つところで暴行にあたる行為をして、警察を呼ばれるとその場で現行犯逮捕されてしまう場合があります。暴行で逮捕された後、適切に弁護士に協力を得ることで、早期に釈放される場合があります。早期釈放を実現するには、まずは検察官に勾留請求しないよう求める必要があります。逮捕された後検察がすることは、被疑者を釈放するか、裁判官に勾留請求をするかどちらかです。また、弁護士は裁判官に対しても勾留を決定しないように求めることができます。これは、最終的な決定権は検察ではなく裁判官にあるからです。さらに弁護士は、裁判官の決定に対して裁判所に抗議することもできます。このように、逮捕された後の初動がこの後の命運を大きく分ける要因の一つになります

不起訴処分を目指す

なるべく量刑を軽くするためには、まず不起訴処分を目指す必要があります。不起訴処分になれば、刑事裁判にかけられないため、前科もつきません。では、誰が不起訴処分かどうかを決めるのでしょうか。それは裁判官ではなく検察官です。よって、検察官に対して、加害者が有利な情報を提供する必要があります。これは素人には難しいため、弁護士を介する方が効果的です。不起訴処分の主な種類は、嫌疑なしや嫌疑不十分となる場合や、起訴猶予となる場合です。ほかにも不起訴処分の種類はあり、全部で20種類あります。不起訴処分となったあとは取り調べ等はありません。そこで捜査は終了します。不起訴処分を目指す際は、事件の種類によってポイントが異なります。まず、否認事件の場合には自白調書をとられないようにすることがポイントで、嫌疑不十分や嫌疑なしへ向けて対策を練ります。法律の専門知識がないと対策が練れないため、弁護士の依頼が不可欠となります。ただ、暴力事件などでは実際に目撃されているケースが多いため、そういった場合は起訴猶予を目指すことが重要です。起訴猶予をとる際にも、実際に多くの暴力事件を担当した弁護士と相談することが対策の第一歩です。

示談を交渉することも対策の1つ

暴行事件等の被害者から示談を認めてもらうことも、量刑を軽くすることにつながります。示談を交渉するのが重要である理由は、刑事事件であっても、刑罰を下すにあたって示談が成立しているかどうかが裁判官の判断に影響しているからです。また、起訴前であれば対象となる刑罰によっては、検察官に起訴猶予と判断される可能性も高まります。ただし、示談にも注意が必要です。法的知識がない状態で示談交渉に臨めば、不当に示談金を吊り上げられる可能性があります。鉄道職員など公共性の高い人が被害者の場合は、そういった可能性は低い傾向にありますが、一般の人と喧嘩して逮捕されてしまった場合などは弁護士の専門知識が強い味方になります。さらにはこういった示談交渉に慣れている人が相手だと、相場よりもはるかに高い示談金を請求されることがありますが、経験豊富な弁護士であれば、相場や状況に合わせて適切に対応してくれます。また、お互いがけんかなどで暴行しあっている場合などでも、逮捕されて示談が成立しなければ処罰される場合があり、どのような時にも早期に弁護士に相談、依頼することが解決への近道です。示談が成立しない場合でも、贖罪寄付などの方法で裁判官に反省の意を示すことがありますが、こういった選択も弁護士でなければ知りえない専門性の高い判断が必要となります。

弁護士に依頼することが会社の処分を軽くすることにもつながる

一度逮捕されてしまうと家族と連絡を取ったり、会社と連絡を取ったりすることが極めて難しくなります。特に会社に勤めている場合は、会社の処分を軽くする際も弁護士に依頼することが効果的です。暴行事件などの嫌疑がかけられ、無罪を主張する場合でも勾留が長引いてしまうと人事評価に影響がでる場合があります。しかし弁護士へ依頼すれば上司などの説得にも力を貸してくれるため、仕事の関係者が状況を把握しやすくなります。弁護士であれば権利を有しているため面会可能ですが、逮捕から72時間は一般の人は家族ですら面会が適わないため、無断で仕事に穴をあけてしまう可能性があります。また、依頼して雇う弁護士は、国選弁護人に比べてメリットが大きいです。まず国選弁護人は選べないため、頼りない人にあたってしまうとその後の対応にも差が出てきます。一方依頼して、きめ細かなサービスを提供してくれる弁護士に任せれば量刑を軽くしたり社会的なダメージを軽くしたりしやすくなります。また、国選弁護人は起訴されるまで呼べないため、この面からも加害者側はすぐに弁護士の手配し、自分の立場をできるだけ有利にすることが重要です。暴行事件は傷害事件や公務員執行妨害として嫌疑がかけられることもあり、こうした事件に精通している弁護士を雇うかどうかが今後の人生を左右する場合もあります。

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