刑事事件を起こしてしまった!示談に効果的な示談書の書き方は?

刑事事件では示談が非常に重要

刑事事件の加害者になってしまった場合、誠意を持って被害者と示談しなければ重い量刑を課されてしまう可能性もあります。示談というのは、裁判に頼らず当事者同士の話し合いで損害賠償責任について取り決め民事上で先に解決することです。あくまでも民事上の解決であり、被害者との示談が成立したからといって必ず刑事処分が軽くなるとは限りません。しかし、実際に刑事処分を決める際には示談の有無が大きな判断材料となり、処分が軽減されるケースは多いです。刑事事件の内容によっては、示談が成立していれば不起訴で済むこともあります。留置場などに入れられている場合、示談が成立することで事件の早期解決が可能となり、早く釈放してもらえる可能性もあります。
このような事情から、刑事事件では示談が非常に重要な役割を果たすと言えるのです。ただし、いくら加害者が示談が成立したと主張しても、客観的な証拠が無ければ認めてもらえません。一度は被害者が示談で納得していたとしても、後日示談の内容を巡って意見が対立し、言った言わないの水掛け論になってしまう可能性もあるでしょう。このような事態を防ぐためにも、示談が成立したら必ず示談書を作成することが必要になります。示談書は、間違いなくこの内容で示談が成立したことを当事者が証明する書類です。一度示談書を正式に作成すれば、後から被害者がどんなに文句をつけても簡単に覆すことはできないので、加害者としても安心です。

効果的な示談書のポイント

示談書は示談が成立した証拠となる書類なので、どこに出しても効果が認められる正式な書き方で作成しなければなりません。示談書で最も大切なのは、「示談の対象である事件の概要」「示談が成立した詳しい条件」「日付及び当事者の署名」が全て正しく記載されているという点です。
まず示談の対象である事件についてですが、これは当事者両名の氏名や発生した日時に場所など、詳細を具体的かつ正確に書きましょう。誰がいつ読んでも、間違いなくこの事件だと判断できる内容にすることがポイントです。
次に示談が成立した条件ですが、示談金の金額や支払方法などを記すのが一般的です。示談金以外に特別な条件を付けられ、自分が納得した場合はそれについても正確に記載します。示談金の支払い方法は、一括現金払いや分割払い、銀行振り込みなど細かい部分までしっかり書いてください。示談書の作成と同時に示談金の授受を行うケースもありますが、その場合は示談書に示談金を既に支払った旨を記載するのも忘れないようにしましょう。
日付と当事者の署名は、示談が成立した日の証明や間違いなく被害者が示談に同意したことの証拠になるため、必ず記載します。ただ、日付に関しては示談書の成立要件には含まれないので、漏れていても無効になることはありません。被害者が企業などの場合は記名押印でも構いませんが、個人なら直筆の署名が必要となります。印鑑も必須ではありませんが、書類としての正当性を高めるため慣習的に押印されるケースが多いです。

示談書の作成は弁護士に依頼すると安心

どんなに書き方に注意して作成したとしても、素人が自分だけで書いた示談書は不備があることも多いです。不備があると、せっかく作成した示談書が無効扱いになってしまい、また一から被害者にお願いして署名してもらわなければなりません。これでは手間がかかりますし、作り直している間に被害者が考えを変えたりすれば示談が成立しなくなってしまいます。そんなことになっては大変なので、示談書が無効になるポイントを知っておくことが大切です。
示談書にとって最も重要なのは、被害者が間違いなく示談に同意した証拠となる署名です。有効な署名と認められるためには、正しい意思能力が認められた人がサインする必要があるので注意しましょう。本当に被害者だったとしても、意思能力が認められていない子供や認知症の老人などに署名させても法律的に効力は認められません。また、未成年に署名させたとしても、同じく示談書は無効となります。未成年者は自分の判断で示談に同意することが認められていないので、必ず両親など法定代理人と示談を進める必要があります。さらに、被害者を脅したり騙したりして示談書に署名させた場合も、それが分かった時点で法律により示談は取り消されてしまいます。
これらはあくまでも一例で、他にも示談書を作成するうえで注意すべきポイントは多いです。せっかく作成しても無効になっては意味がないので、最初から弁護士に依頼して有効な示談書を作成してもらうのが最も効率的です。弁護士なら刑事事件の示談書の作成にも詳しいですし、高い法律知識を活かして加害者に有利な内容で示談を取りまとめることもできます。不安な点もその都度相談することができますし、起訴された場合はそのまま弁護を依頼することもできるでしょう。弁護士に任せることで得られる安心感は非常に大きいので、刑事事件の加害者になってしまったらできるだけ早い段階で弁護士に相談してください。

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